感動的な奇跡的な一致！

『ジャストミートしても「それでは不思議ではないし面白くない」と思われないようにすることが大事』ー橋本英司氏

● カードを引いてもらい当てても、予言のカードを先に出しておいて、選んだカードと一致しても・・・、
不思議は不思議だけれども、「あー、当たるんだ、へー、一致するんだ」的な感覚だけで、インパクトのある感動的な奇跡的な一致現象を体験したという感覚がないマジックは寂しいです。
このあたりがメンタルフォースでの気をつける点です。当たればそれでいいわけではない、と。

● 通常の「予言マジック」でも、橋本さんがおっしゃるように、『ジャストミートしてもそれほど不思議ではないし面白くないと思われることがないようにすること。』・・・が、大事だと思います。

最近出た「あなたの好きな時間」改訂版は、ATTOの益田さんの名作のひとつの復刻版です。

観客の自由に選んだ時間が写真の中の時計にハッキリと予言されています。
全く変えようがない写真での予言ということで、人気の商品です。

● 私は、その精巧な仕掛けと出来の良さに感心して販売しましたが（1日で売り切れてしまいました）、内心なぜかインパクトが無いなーと少し不満でした。
確かに自由に選んだ時間が写真で予言されているという偶然の一致的不思議はあるのですが、何かあっさりとしているなーという感想です。

これを本格的なミステリーに仕上げるには、セリフと演出が要るなーと思っていました。

橋本さんのおっしゃる『ズバッと当たってそれが本当に不思議になる』何かが要るのではと思います。

パズル的なマジックから、人知を超えた不思議を味わってもらえるようなマジックにするための＜セリフと演出＞、これが大事だと思います。

● 橋本さんのお気に入り手順で紹介されている；
「そのカードに決める前に、スペードの９と迷ったりはしませんでしたか」
この言葉、＜的中率よりもインパクトを優先します＞とは、こういうことを指します。

外れたのに、震えるほど不思議。
何故、心の中で決めたカードに達するまでの経緯を読まれた？
不思議すぎて、衝撃的で、思考が止まる。
トリックを暴こうという意欲さえない。言葉を失う。

これが目指すメンタルマジックではないかと思っています。

商品を販売しているショップとしては、新しいギミックが出るたびに道具を提供していっていますが、もう少しこのあたりの演出、手順も含めてお客様に提供できたらと思っています。

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