レギュラーデックでACAAN

ノーセットアップで、本当に相手の指定したカードが、指定した箇所から現れます!

【レギュラーデック使用:即席REM】

REMとはラン・サイレント、ラン・ディープに掲載の『R.E.M. (瞬き)Ben Harris』のACAANです。

厳密には異なりますが、下記は、見た目の印象として幻影を見たような感覚がよく似ています。)

トリネタになるようなものではありませんが、軽い奇術プレゼンとして有効です。目の前でセットするという大胆な手法ですがなかなかどうして、簡単にバレるようなものではありません。

Any Card at Any Number現象

ジョーカーを除く52枚のレギュラーデックを持ち、「奇術の世界にはAny Card at Any Number.という現象があります」と、ざっとACAANについて説明します。
「要約すると、好きな枚数目から好きなカードが現れるというマジックです」

カードの選択

● 演者はデックをシャフルし、「ちょっと試してみましょう。ACAANはカード当てではないので、1枚選んで引くのではなく、先にお好きなトランプを言ってもらいます。
何がいいですか?」と訊きながらカードフェイスを広げます。
● 観客が仮にハートのAを指定したなら、それをみつけ、カットでトップから2枚めに配置させます。

● 裏向きにデックを持ち、ダブルターンノーバーしてHAを見せます。
「あなたが選んだカードです。ハートのAは裏向きでこちらに避けておきます」と言って再度ダブルで裏返し、トップカードをテーブルに置きます。

数字の選択

「では次に好きな枚数め、これを言ってもらいますが、時間がかかりますので今は範囲を限定したいと思います。5から20の間で好きな数をおっしゃってください。」
● 観客が「9」を指定したなら演者はトップから9枚、リバースカウントでテーブルに重ね置きます。

● テーブルには1枚のカードと、9枚のパケットがあります。

● 「ハートのAを」と言って、テーブル上にある1枚のカードを持って左手デックに1センチほどインジョグさせて乗せ、その上に9枚のパケットを乗せます。10枚めがインジョグされ、はみ出ています。

● 「こうすると理屈の上では、お好きなカード・ハートのAが、お好きな枚数・9枚の真下にありますから、一応のACAANではあるのですが・・・まあ、見ての通りズルですよね。
ズルいだけではなくこれでは不思議でもありません。こんな無意味なことを奇術の神様は許さないのです。その証拠に・・・」

● そう言って軽くマジカルジェスチャーをして、インジョグさせておいたカードを抜き取ってオモテを見せます。
HAではない別のカードに変化しています。このカードをテーブルに残し、デックのトップ部分が崩れないフォールスシャッフルやランニングカットを行いながら次の台詞を言います。

● 「やはりACAANはマジック界の夢のまた夢。最初に相手方の指定するトランプと指定する枚数がわかっていないと出来ない現象なんですよ。そんな好都合なことはそうそう起こりえません。」と言ってデックを置きます。

最初に相手方の指定するトランプと指定する枚数がわかっていないと出来ない現象

● 演者は、ふと目線を上に向け、何かに気づいたように「ん?『最初に相手方の指定するトランプと指定する枚数がわかっていないと出来ない現象』・・・。
今まさにそうですね!だって私はあなたがハートのAが好きだということを知っていて、9枚という枚数を指定することも知っています。」

2つの幻のような不思議現象

● 「今なら出来るかも・・・!」とおまじないの意で指を鳴らし、8枚を数えおろして9枚目を見てもらいます。そこにはハートのAがあります!
● 直前にシャフルしているため、充分に不思議できちんと奇術になっています。
これでレギュラーREMは終了です。途中のカード変化と、突然の虚を突くACAAN現象、2つ、幻のような不思議が起きています。

● 『HAではない別のカードをテーブルに残した理由』は、「9枚目ではなく、9枚を数えた真下からHAが出てくるのではないのか」と指摘された場合に「この1枚を足すとそうなりますから」と言うためです。

● 数字を「5から20の間」に限定するのは、トップを崩さないフォールスシャッフルがやりやすいためと、時間短縮です。

● 「サイレントランニング法」を使わず、レギュラーデックでセットアップなし、途中までは「Any Card at Any Number.のやり方を教えているかのようなレクチャー口調で行う奇術」として、簡単でウケやすいものです。正式なプログラム演目ではない体で演じると良いと思います。

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