メンタルフォース:究極のメンタリズム

ダレン・ブラウンの<Mental Force:メンタルフォース>【デビルズ・ピクチャーブック】 Disc 2に収録されています。
日本語ファイルを参照し、行間を読み、言外にある氏の真意を汲み取るようになさってください。
そうでなければこの拙い【Mental Forceについて】記事なんぞ、「なんのこっちゃ・・・」だと思います。では、一生懸命書かせていただきます。

強力なメンタルマジック

<Mental Force:メンタルフォース> これが決まると爽快です。メンタリスト冥利に尽きます。

● 自由に思ってもらったカードを観客に言わせて、それが予め裏向きで伏せておいた演者のカードと一致するのですからまるで魔法、真の奇跡です。
びしっと決まればこれほど強力なメンタルマジックはそうそうありません。

● 難易度は言うまでもなく高め、成功確率もうまく行って5割程度でした。
惜しいハズレを含めても6割あるかないか。

何故外れるのかを随分と考えましたが、それ以前に何故当たるのか、この分析ですよね。
これが理解できなければ進歩はありませんから、当たったケースと外れたケースを比較し、以下のようにノートにまとめる作業をしては、実演を重ねていました。

● カードMAGICを演る前の実験、丁度TVゲームのオープニングデモのように演じ、仮に失敗してもさほど痛手にならぬよう、この後演じるメイントリックは確実にウケるものを用意して。

≪人≫

● 「Mental Forceはこれで決まる」と言っても過言ではないぐらい重要な要素です。
人。
● すなわち観客の人柄。その延長線上には演者との間柄や「お互い、気が合うかどうか」「会話のキャッチボールがスムーズか否か」という点もあります。

● Mental Forceは、
①「マジシャンである演者を失敗させようとする観客の心理」を逆手に取って利用する方法と、

②「この不可能な実験の成功例になりたい」と願う、素直な観客の心理を利用する方法があります。

● どちらも強力ですが、私はやはり後者が成功率が高いと知りました。
ただし成功したときのインパクトは前者のほうが優ります。
慣れるまでは協力的な観客を選ぶことが大切です。

● しかし、演者に対し好意的で協力的な観客であっても、途中で集中力を欠いたような怠惰で不真面目な様子がその表情から垣間見られた場合は、演技を中止することも視野に入れています。

● 途中で諦めたり馬鹿馬鹿しくなったのか、
「こんなの当たりっこないよ」とか、
「どのカードを思い浮かべてもどうせ何らかの方法で当てたことにするんだろ(マジシャンは最後には必ず不思議を提供するように準備しているのが常だから、真剣に自分がカードをイメージする必要など無い。滑稽である。という思考。)」と、
思われた場合はやめることも選択肢に入れておきます。

● Mental Forceは観客が真剣にやってくれなければ絶対に成功しません。
最初にハートのエースが浮かんだら、何を感じても頑として変えない、というような姿勢でいる観客であればMental Forceは不可能です。
せっかく“感じた”のに変えないのですから。

● 感じたということはMental Forceの技が効いている証拠です。
スートや数字を言葉にせず、心理的効果でイメージを感じさせるテクニックがMental Forceです。

≪真の観客、ターゲットを誰にするか≫

● Mental Forceが成功しました。
演者がカード情報を口にすることなく、何故か観客は伏せてある非公開カードの名称を言いました。
それを観た周囲の観客は拍手喝采。
しかし目の前の観客は驚きはすれど、やや腑に落ちない様子。
このケースがありえます。

● 故意に仕立て上げたわけではありませんが、言うなれば『準・インスタントのサクラ』にしてしまった場合です。
演者の“依頼”ではなく“誘導”を表面意識で感じ、記憶に残っているケース。
この場合はMental Forceというショーのターゲットを、目の前の観客から周囲の観客に変更して成立させるようにしています。

● サクラではありませんが、そのようにされた目の前の観客1名は「どうやら巧みに、誘導されたかな」と感じてはいます。
しかし、具体的にどう誘導されたかについては全くわかりません。
わからない以上、周囲の観客に対し演者のトリックを説明できないわけです。
この観客は「誘導されたかな・・・それを差し引いても凄い」という感想を持っているはずです。

● 賛否あると思いますが、このケースでも一応の成功と受け止めています。結果的に残るのは「ズルイ」の3文字ではなく、「不思議」の3文字ですから。

≪演者のゆとり、心の余裕≫

● これも大事です。リラックス出来たほうが成功率は上がりますので。
ではその余裕をどうやって保つか、について、私の方法は主に下記の2点です。

1、アウトを用意しておく。インビジブルデックなど。

2、そもそも成功することのほうが稀であることを冒頭に告げておく。

● 本来、Mental Forceでアウトは邪道だと思います。
しかし、失敗した際に巧妙に逃げるためや、成功シナリオに導くためのアウトとして用意しておくのではなく、「アウトがあるから失敗しても平気だ」と思いこむためのアウトであれば話は別です。

● これは同じアウトでも意味合いが似て非なるものであり、慣れないうちのアウトありと何も無いのとでは雲泥の差です。

● 実際に、Mental Forceの演技でインビジブルデックやマルチプルワレットなどを(用意はしていたが)使ったことは一度もなく、失敗したら失敗という結果が『今回のMental Force』としています。

● 「どれぐらい近づけたか」が成果です。なにせ「そもそも成功するほうが稀」なのですから。

やはり充分に慣れるまではアウトを準備。
慣れて心の余裕が持てたらアウトは不要で成功率もアップします。

≪お互いに、両者がMental Forceを信じること≫

● Mental Forceは超能力ではなく、究極のメンタリズムです。

しかし肝となる要素は『演者が思念を送信し、それを観客が受信すること』で成立していることは確かなのです。

● ここは感覚ですから文章で表現しにくいのですが、ダレン・ブラウン氏の解説を理解し咀嚼していただくしかありません。

● 氏のテクニックをここで公開する訳にはいきませんので、この場で言える範囲で言うなら、
「こういう台詞で、こういう表情で、このように進行すれば必ずこちらの念は相手に届いている。」と、
信じられる自分独自の方法を編み出して、それを一縷も疑わず信じて使うこと、となります。
演者がとことん信じ切って使えば観客もその効果を信じ、相乗効果が生まれるものです。

≪Mental Forceの正体≫

● 私が捉えているMental Forceは、
仮にダイヤの5をフォースするなら、「ダイヤの5をイメージしてください」と言わずに
「ダイヤの5をイメージしてください」という内容を表現する、その表現技術を指します。

● 相手にその表現が気づかれないように潜在意識に働きかけることが理想です。
しかし理想は理想です、1割程度は表面意識でわかってしまっても問題はないと思っています。

≪No Wayがもたらしたもの≫

● 通常はMental Forceからスタートして、その応用として Ken氏の【No Way】に進むのでしょうが、
私は逆で、【No Way】のContrast Forceからスタートして、その精度を高めるために忘れかけていたMental Forceを1から研究してみたクチです。

● 【No Way】のImagination Cardsを演じ、難しすぎて最初は全く駄目で、唯一の実演成功例を大切にし、ノートを取り、「どうやったら失敗し、どうやったら成功するのか」を考えた回答の行き先がMental Forceだった、ということです。

● Mental ForceにはImagination Cards成功のヒントが山ほどありました。今ではImagination Cardsを演じると8割以上成功しますからMental Forceより精度が高い武器です。

● これは、どちらが上、どちらがより優秀という意ではありません。
趣が好みでないならどんなMAGICでも成功しにくいでしょう。
人により、技により、効果によりけり、であり、好きこそものの上手なれ、です。

● 最後に、大切なことですから再度、ある1文を申し上げて、この【Mental Forceについて】の締めとさせていただきます。

「Mental Forceは超能力ではなく、究極のメンタリズムです。」

この投稿へのコメント

  1. Takemoto Osamu said on 2018年3月12日 at 18:10

    後日、補足をお送りする予定です。