日本のギミックコインNG、海外のギミックコインOK?
密輸品にご注意!
● 数年前にあった、マジックに使用する日本円のギミック・コインに関する出来事以来、ほとんどのマジシャンは「これからは海外のギミックコインを使うしかない・・」と思っています。
(最近もありました・・・・。)
● 「ああ、日本円のギミックコインが欲しいけど、やっぱりアメリカのJhonson製のギミックコインを使うしかないよね」
⇒ 一昔前は、このジョンソン製のギミックコインが有名でした。デパートに行くとテンヨーのマジックコーナにうやうやしく鎮座していました。そして高価でした。「輸入品だからな」、「精巧にできているからな」と納得していました。
● 今は、ギミックコインと言えば、有名なのはTango Magic社のものかJhonny Wong社のものがあります。どんどん日本のマジックショップでは輸入して販売していますので、既にご存じだと思います。
海外のギミックコインは本当にOK?
● 当店でも何点か扱っていました。そして数年前の事でした。
海外で広く販売されている「Signed」というDVDを、いつものようにメーカに発注して取り寄せた時のことです。(同時にその他のマジック用品も一緒に発注)
あまりにも日本到着が遅いので調べたら通関で止まっているとのこと。
● 通関事務所に問い合わせたところ、この荷物の中に輸入禁止品が入っているので、開封して検査しているということでした。
なんのことか分からず驚いていると、どうも「Signed」というDVDに付属のコインがダメということでした。
● 確かにギミックコイン(クオーター)が付属しています。でも、それってアメリカで作られて商品に付属されているものです。
日本円のギミックコインはダメだということは知っていますが、海外のコインは良いはず。
● 3日間掛けあいました。マジック用です。アメリカのコインでアメリカで加工されたものです。・・・・法律も調べながら応戦しましたが、結局ダメでした。
「貨幣損傷等取締法」では、日本のコインを加工することを禁じています。でも海外のコインについては禁じていないはずです・・・。
もう一つの法律ではダメ!
● しかし、しかし、輸入するにあたっての関税法では、「輸入してはならない貨物」に<貨幣、紙幣・・の偽造品、変造品及び模造品の輸入を禁止する>とあります。
ここで言う貨幣:コインは日本円に関係なく現在世界で通用している貨幣を指すということです。当然、アメリカのコインも抵触します。
「貨幣損傷等取締法」では日本のコインの加工は禁止、違反。
「関税法」では、海外の加工(ギミック)コインの輸入は禁止、違反。
● 結局、ギミックコインの輸入は一切できないと言うことです!
日本円のギミックコインは存在してはいけないし、海外からのギミックコインだとしたら、密輸品ということになるわけです。
もう何十年もジョンソン製のギミックコインを輸入し堂々と販売していたのは・・・・?
ここで解決法です。
★ 「海外のコインを損壊する事は国内では罪に問われない。」とあることから、海外のコインを普通に輸入してギミックコインの加工を日本で行うことが唯一現状では正しい?姿でしょう。
日本にある「クライス社」のように金属精密加工ができるところで、加工されたシェルコイン、マグネットコイン、ホールディングコイン等を正々堂々?と販売・使用していけば良いのでは。
クライスさんよろしくお願いします。
お札(紙幣)は?
グレーです。
⇒日本銀行券(いわゆる紙幣)は「貨幣損傷等取締法」の対象外だそうですのでOKのようですが、
刑法上の「通貨偽造罪」には抵触しそうです。
★ そんなこんなで、フェザータッチMAGICでは、お札に付いても、加工の必要のないギミック商品のみを今後は販売していきます。
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<ブログ読者の方よりの指摘>
「日本国内でハーフダラーなど海外の貨幣を変造するのは、外貨変造罪に当たります。
日本円を変造した際の法定刑と同様の刑罰を受けることになるので、注意が必要ですよ。」
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⇒「外国通貨変造罪」とは、行使の目的で、日本国内に流通している外国の貨幣・紙幣・銀行券を変造する犯罪です。
★ マジック用コイン(穴あきコイン、マグネットコイン等)が、ここで言う「(通貨としての)行使の目的」に当てはまるかどうかが問題かも。
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