【メモ・マインド・カード(メンタリスト用デック)】考察

・メモマインドカードのバックデザイン

「メモマインドカード」には白い縁取りがなく、点を中心に四方八方へ伸び出た特徴あるバックデザインにより、保護色といいますか、同化してカードとカードの境目の見分けがつきません。
したがって、さほど上手くないカルであっても「横によぎった」ようなカードの移動が見えず、ボトムコントロールするならカルが効果的です。
クラシックパスも「何かが横によぎる動き」が目立ちません。

あのバックデザインは、重ねられた2枚のカードのどちらか一方を真横にスライドさせた際、上下のどちらが移動したのかが分かりにくく出来ています。
2枚を重ねて左手に持ち、上の1枚を左手親指で右へ押し出し、右手を近づけてそれを取るような動作の瞬間、左手中指で下にあるカードを右へ押し出し、同時に上にあるカードを左手親指で元の位置へ引き戻しながら右手で下のカードを取ると、容易にカードのスイッチが出来ます
上のカードを取ったようにみえるボトムディールです。

コツは脱力すること、肩に力を入れず、ことさら素早くすり替えようと意識しないこと、右手に取ったら表向きに返して示すこと、などです。

同様の効果は【ESPオリジンズ】のバックデザインでも起きます。2枚重ねの上下スイッチに気づかれにくいということは、メキシカンターンノーバーを行う際も同じ理屈で強い錯覚が起きるわけで、ESPオリジンズでも臆せず多用出来る技法です。

フルデックを使って、メキシカンターンノーバーの要領で次のようなフォースも可能です。ご参考程度に。

フォースカードをボトムに配置したデックを、演者から見て右から左へテーブルスプレッドします。
フリーチョイスで1枚にタッチしてもらいます。
触れられたカードを右手に持ち、ボトムカードの下に差し入れ、右から左へデック全体を表向きに返します。
右手に裏向きのカードが残りますが、これがフォースカードです。ボトム下に差し込み入れた際に親指でフォースカードを引き寄せ、右手に持っていたカードを置きながらデックを表向きに返すとフォースが成立します。
ボトム下に置いたカードごと右手中指でデックをひっくり返すのです。

・メモマインドカードのリーディング台詞例

「羽根が見えるのですが鳥ではないようです。体温や鼓動を感じませんので。
羽根、ツバサがある絵、ありますか?それを出してください。
ああ、飛行機でしたか。乗り物、機械、マシンの類のものがまだあると思います、大きなもので・・・空ではなく道路を走る、自動車かな?ちょっとこれは置いておきましょう、別のイメージが見えてきました。
飛行機同様空を飛ぶマシン、ヘリコプターの絵がありましたら出してください。ありましたね。

ああ、さっきのイメージは・・・置いておきましょうと言った先程の絵は、自動車より大きい。バスですね。

もうひとつ機械的な、金属的な冷たいイメージの絵があります。物騒なもので・・・ピストルですね。冷たいイメージがありましたから・・・。

あ、もうひとつ冷たいイメージの絵、今度は物騒なものではありません。甘いソフトクリームの絵を感じます。ありましたら出してください。

ソフトクリームとは反対に温かいイメージの絵がありますね。珈琲を。ありましたら出してください。珈琲にはこれが合いますね、ドーナツの絵を出してください。

最初に乗り物の絵が続きましたが、もうひとつ乗り物のような大きなもので移動する、動きのあるイメージを感じていました。国によってはこれを乗り物としている地域もあるでしょう。
鮮明なイメージではありませんでしたから確信がもてませんでした。今はしっかりとした鼓動が聞こえますのでマシンではないとハッキリわかります。
陸上生物で最大と言われるゾウです。ゾウの絵がありましたら出してください。」

観客の手にはあと2枚あります。これは言い当てずに封筒等からメモを出して『扇子』と『リンゴ』を予言という形で示して終了です。

台詞は丸暗記、しかしメモ・マインド・カード日本語解説書を一読すれば楽にこれらは頭にインプットできます。カンニングペーパーのたぐいは不要です。

この現象は【メモ・マインド・カード】と、【 スリー・ディグリーズ(観客がシャッフルして配ったカードを全て透視)】修士課程 の原理・手順で成立させています。
まともなリフルシャッフル後の10枚のイメージを確実に当てることが可能です。

絵の色も当てられますが、トランプではなくピクチャカードですので、上記の台詞の流れで充分にイメージキャッチ・透視の証明になることでしょう。
この演技はセルフワーキングで可能です。13枚でも可能ですが、トランプではありませんのでキリの良い10枚にしています。

メモ・マインド・カードを扱う際には、

このように組み合わせが「スート」と「数字」のトランプよりも具体的な、
「大きい」「移動する・動きを感じる」
「小さい」「手のひらに乗る・手に持てる・テーブルに置ける」
「温かい」「冷たい」「生命がある」「鼓動・呼吸を感じる」
「陸上に住む・狩りをする生物・おとなしい動物」
「水を感じる・海に住む・波音が聞こえる」などの特徴を表現することで、

よりリアルなマインドリーディング現象を起こせる特性があります。

例え単純なカード当て原理であってもです。

・メモマインドカード<スライハンド不要の台詞によるフォース>

デックを検め、様々な絵が2色で描かれたピクチャカードであることを示し、まともなリフルシャッフルをします。
観客にデックを渡し、混ぜてもらってから【インターセプト】のように9枚、ランダムに抜き出してトランプゲームをやるときのように両手に持って絵を確認してもらいます。

演者:「赤い絵と青い絵、それぞれ何枚あるかを数えてください。多い枚数の方のカードを手に残し、少なかった色のカードはデックの上に戻してください」

観客がデックに戻した数枚のバックデザインから、何色を戻したのかを演者は確認しておきます。必然的に観客が何色のカードを持っているかがわかります。

演者:「今お持ちのカード数枚には様々な絵が描かれていると思います。そのなかで、あなたが『これが最も物理的に大きい』と思う絵を確認し、心に決めて、覚えてください。
鮮明にイメージし、忘れないようにしてください。イメージ出来たら手持ちカードを全てデックに戻し、よく混ぜてください』

以上を終えると、まず間違いなく『乗り物』か『動物』の絵を観客はイメージしています。それだけではなく色もわかっています。
トランプと違い、メモマインドカードの構成を観客は知らないため、この大胆なフォースが可能です。

(※ このフォースは厳密には確率10割ではありません。めったにないことですが運悪く9枚全てが『飲食物』『日用品』であった場合は成立しません。
それが不安であれば混ぜたデックをカットさせて「10枚ぐらい取ってください」と指示すれば、大抵の観客は12枚以上を手にします。
少ない枚数を取られたと感じた場合は「もう少し、心持ち多めのほうが良いです」と促せば問題ありません。
演者が手本のカットを見せて「これぐらいの少枚数を手に取ってください」と厚みを見せると完璧です。)

このあとはマインドリーディングの手法でカテゴリを絞り込めば6枚までに限定でき、
マルチプルアウトが出来るワレットがあれば観客にイメージカードの絵をコールさせて、財布から「赤いバス」のようにメモされたブランクフェイスカード、または名刺を出して終了です。

使用ワレットの機能によっては財布一つでも良い場合もあれば2つ使う場合もあるでしょうが、元々、限りなくフェアなフリーチョイスで決定された1枚です、ワレット後出しでも不思議には違いありません。

『乗り物』『動物』の絵は全部で24枚ありますが、24枚のメモを財布に仕込む必要はありません。
『乗り物』『動物』の名称を書いたメモ12枚プラス「赤」「青」と書かれたメモ2枚、計14枚でOKです。

メモを出したあと、財布内が空であることを示せる機能があればより完璧で、【タイムワープ】のワレットが適しています。
他にもフェザータッチMAGICさんのご商品である、多数のメンタリスト用多機能型ワレットがこの演技に使えると思います。

リーディングの手順は、

「移動・・・動きを感じます。そうですね?」で「YES」 をもらいます。
既に知っている内容ですが、リーディングする際の最初の「YES」は大事です。「大きなものですね?」はNGです。

続けて、「動くと言っても命があるもの、ではありませんね?」で「YES」なら『乗り物』です。
「NO」であれば『動物』です。

「NO」と言われたら軽く詫びて「描かれている絵、その線の色、覚えていますか?」と「色」のリーディングに移行し、当ててみせることで直前の「ハズレ」の印象を軽減できます。
また、ここで「NO」と言われた場合、既に6枚に限定されていますので「質問によって徐々に絞っていくリーディングをしている?」と勘ぐられる前に、財布を出して「では何の絵でしたか?」と問い、名称をコールさせて該当するカードを財布から出します。

色のリーディングを一切していませんのでこちらのほうが不思議かもしれません。

先述しましたように、観客はメモマインドカードの構成を知りません。
どのカテゴリが何枚あってとか、それぞれ色違いのメイトが2枚ずつあってとか、全く知りません。

総枚数52枚ですがメモマインドカードはトランプより厚みがあり、やや多めに感じます。
多く感じるということは当てることもトランプより難しいと感じているはずです。
メモマインドの総枚数さえ観客は知らないのです。
構成を知らないということは、構成を百も承知のトランプと違ってパズルが得意な観客でも頭が上手く回転せず、「こちらの返答、YES・NOで範囲を絞り込んでいる?」と気づかれにくいものです。

何のカードコントロールもせずに、技法らしい技法を使わずに、デックに殆ど触れずに、観客が混ぜたデックで演じて、リーディングで「NO」と言われることは最悪でも1回。

外して当然のシチュエーションでハズレが最悪で1回。気楽に演じられる方法です。

マルチプルアウトワレットを使わない場合は、デックを手にし、リーディングで絞った6枚を『候補のカード』として抜き出して裏向きでテーブルに並べ、エキボク(マジシャンズ・チョイス)によって観客に当てさせるという手法があります。
テンポよく進行すれば意外に簡単に現象が成立する、安全な方法です。

● 少し変わった方法では、振り子を使った方法があります。
★ これについては、ページを分けて説明させていただきます。⇒「マジックを超えた不思議」