テレパシー実験<ESPカード編>

ESPカードを使用した、観客2名によるテレパシー実験

演者はESPカード25枚1組を手にしてその構成を観客に説明します。(「丸や四角などの幾何学的図形が5種あって、それぞれ5枚ずつ、計25枚です。」等。)

観客を2名呼び、Aさんにフリーチョイスで1枚のESPカードを選んでもらいます。
演者はサイクリックオーダーシステムやマーキング、コントロール&ピーク等を駆使してその図形を知っておきます。
(Aさんに直接カードを引かせなくても、決めた図形を用紙に描かせて、その用紙はポケットなどに隠してもらい、演者はその図形を密かに知っておくという方法でも良いと思います。
⇒ この場合は「パーフェクト・クリア・クリップボード」等インプレッションデバイスを使用します。)

AさんはBさんに、その図形の念を送ります。

演者はESPカード25枚1組を混ぜ、Bさんの前で裏向きでスプレッドし、1枚を決めさせて指先でタッチしてもらいます。
触れたカードを演者は手に取りますがオモテは見ず、AさんにもBさんにもオモテを見せないようにします。

ここで演者はマーキングを読み取り、Aさんの図形と偶然にも一致していればそれをAさんに見せて「合っていますか?」と確認を取り、実験は終了です。

以下はそうではないケースです。

Bさんが決めたカード1枚をパスケースに入れます。
演者はパスケースをAさんの手に乗せ、「Bさんはあなたの念、図形をキャッチしたと思いますか?」と問います。
Aさんが「NO」と言ったらやり直しです。スプレッドした裏向きカードから、Bさんに「これだと思う」1枚を決めさせてタッチしてもらうところから再スタートします。(本当に外れているのでパスケースから出してAさんに図形をチラッと見せ、「これではない、と・・・」と言いながらスプレッドされたカード群と混ぜ合わせると「外れていることをノーヒントで自分が察知した!」とAさんは驚きますので、これはこれで効果的です。)

Aさんが「YES」と言ったらパスケースを開けて1枚のカードを出し、Aさんに見せて「これで合っていますか?」と訊きます。
Aさんは「合ってます!」と驚いて叫びます。

このトリックはパスケースがヒンバーワレットになっています。
ヒンバーワレットa面は空にし、b面には5種5枚のESPカードを入れておきます。
Bさんが決めたカード1枚をa面に入れ、「パスケースの中にはカード1枚のみ、入っている」と、少なくともBさんには思い込ませます。出来ればAさんにも。

後はb面から適したカードを取り出してAさんに見せるだけです。
原理は単純なのですが、なかなかどうして、かなり大きな反応が返ってきます。

現象成立後はパスケース内にカードが1枚もない状態、空になっていなくては矛盾が生じます。「パスケースの中にはカード1枚のみ入っている」状況から「カード1枚を取り出した」わけですから。

空のように見せられる機能のワレットもありますし、技法を使う手段もあります。一番簡単なのは、両者が驚いているうちに先程Bさんの前でスプレッドされたESPカードを集めてパスケースの中にしまい、片付け、「すごいですね!」と演者も驚いてみせることです。

※ テレパシー実験は、お互いが言葉を交わしたりせず、直接的な合図もアイコンタクトなどもNGです。この「秘密事項が多い」「内緒にして当然である」という状況を利用している手順ですので、パスケースを盾・壁にし、選んだカードを互いに見せないという『ある程度の隠す道具(正体はヒンバーワレット)を使っても自然である条件』を満たしています。
隠し事が多いわけですから、パスケースにESPカードを入れて見えないようにするという行為も自然なのです。

※ この実験の前後に『演者のESP能力テスト』を魅せることは控えたほうが良いと思っています。
原則として、演者にも見当がつかない秘密の事項を、観客同士がテレパシーを送受信し当てるから驚かれるのです。
どうしても演らざるを得ないなら確率10割は避けましょう。今回の演者は手品師や能力者ではなく、実験の進行役です。

※ 初回でマーキングが一致せずパスケースに入れてAさんが「NO」と言い、やり直しの2回めで演者がマーキングを読み取って一致しているのに(当たっていても初回同様、パスケースに入れなければなりません。)再度Aさんが「NO」の場合、Aさんにカードフェイスを見せても良いのかどうかについては、「実験なので見せても良い」と結論づけています。
Aさんにとっては「Bさんの直感が当たっていたのにNOと言ってしまった」と思うかもしれませんが、両者の超感覚的知覚が100%ではないからこそ「実験」の信憑性が生まれ、これがマジックショーではないという空気を作ります。

都合良く実験の手順を変更したと思われぬよう、『2回めは当たっていても初回同様、パスケースに入れなければなりません。』と申し上げましたが、当たっているのなら「先程はNOでしたが今度はどうでしょう?」と言えば、まず2回続けて「NO」はなく、パスケースに入れずともパスケースを持ったまま訊けば、それほど不自然でもありません。
演者がAさんのカードを知らないことになっているという状況を利用している演目であることを忘れてはなりません。
このあたりの研究はとても面白く、興味深いと思っています。

メンタルマジックならではの面白味であり、アンビシャスカードや鳩出現奇術では味わえない醍醐味です。